2016年04月10日

(コラム) イメージを手のひらに -- 「第12回 視覚障害者と一緒に楽しむ写真教室」に参加して

晴れた空、
そよぐ風、
降り注ぐ虹色の雨、

私たちの周りには色鮮やかな風景が広がっています。
思わずパチリとカメラで撮影して、それを友達に自慢したり、思い出写真として自分で後から振り返る、そんな人たちは多いのではないでしょうか。

それらは目で見て楽しむものですが、最近では目の見えない見えにくい人たちにとってもカメラや写真は身近な存在になってきています。


2016年4月十日、井の頭公園にて「第12回 視覚障害者と一緒に楽しむ写真教室」が開催されました。写真家の尾崎大輔さんが主催するイベントで、参加した視覚障害者は19名。それぞれにガイドがつき、活気のある一日となりました。
小さな子供といっしょに参加している家族や、生かしたショットを探して遠出しているベテラン風の人など、集まってきた人たちはさまざまでした。

第12回 視覚障害者と一緒に楽しむ写真教室■2月25日10時41分
http://ozakiphoto.exblog.jp/22918531/


自分が撮影したい写真のテーマや構図をガイドに伝えると、それに当てはまる景色を見つけてもらえます。

私のテーマは生き生きとした自然の風景。風の動きや光のきらめきが感じられるような写真を撮りたいと思っていました。それをガイド役の人に言葉で伝えるのはなかなか難しく、そしてパートナーはそれを理解してスポット探しをするのはたいへんだったと思います。さらにそのシーンを言葉で描写してもらい、イメージを膨らませることになるので、お互いの想像力が発揮されます。

樹木

「池の水面に桜の花びらが浮かんでいますね」という説明を聞いて、私の頭の中では美しい絵が描かれていきます。しかし、「花の色はくすんでいるのできれいといえるものではないですねぇ」という言葉により、イメージの中の薄ピンク色の花びらはどんどん薄汚れていきました。

すると、写真部に所属しているという高校生から「こんな時は白黒で撮影すると雰囲気のある写真になりますよ」というアドバイス。私の絵はしゃれたセピア色に変わり、パシャリとiPhoneの中に封じ込めたのでした。

池の水面


写真を撮影するのは視覚障害を持つ人だけではありません。
このイベントでは、晴眼者(目の見えている人)にも普段と違った感覚で写真を撮ってもらおうという試みがされています。
アイマスクを着用して参加している人からは興味深い体験談を聞くことができました。
普段は意識していない足の裏からの感覚が敏感になったり、太陽のある方向を暖かさで感じたり、周りの音がよく耳に飛び込んできていたようです。


公園内での撮影は午前中に行われ、その中から3枚を選別して印刷しました。昼食の後は講評会。動物や花の写真、女子会の様子や獅子舞の演技など。「人の顔が写っていると暖かみが感じられる」、そんな印象的な感想も聞けました。

花

参加者たちは好きなカメラを持参していたようですが、中には一眼レフカメラを愛用しておられる人がいたのには驚かされました。普段写真を撮る目的も様々で、子供の成長記録、度の思い出、芸術的な作品作り、SNSへのアップロードなど。

そうです。パソコンやスマートフォンを使えば、見えなくてもFacebookやTwitterに簡単にシェアできるのです。
Facebookでは自動的に写真の内容を分析してタグ付けしてくれる機能が用意されているので、具体的なイメージは浮かべることはできないものの、なんとなく画像も一つのデータとして味わうことができるようになっています。
特定の人にLINEで写真を送信することで、それがなんの写真かを教えてもらう。そんな使い方をしている人もいるそうです。


写真にはその瞬間の光景が記録されている他に、思い出話に花を咲かせる効果もあるようです。
実際に写真その物を視覚的に見ることができなくても、自分が撮影した時の記憶を呼び戻すことで、ひと味違った楽しみ方もできることでしょう。


この写真教室のおもしろい点は、3枚の写真のうち2枚を立体コピーにかけてくれて、指先で触れるようにしてくれることです。私の撮影した噴水がどんな風に浮き上がってくるのか、心待ちにしています。

噴水

第12回視覚障害者と一緒に楽しむ写真教室の報告・感想■4月14日7時51分
http://ozakiphoto.exblog.jp/23065480/

今年の秋は東京の王子駅近くにある飛鳥山公園で開催予定です。

第13回視覚障害者と一緒に楽しむ写真教室のご案内
http://ozakiphoto.exblog.jp/23449275/


永久保証の彼女の顔やこぶし咲くあの丘、

そんな目の前に輝く景色を撮りに出かけてみるのもよいのではないでしょうか。



尾崎大輔オフィシャルサイト
http://www.daisukeozaki.com/

iPhoneのカメラや写真と仲良く付き合う
http://voicei.seesaa.net/article/437211478.html

iOS 10の写真アプリ、人の顔を見分けて分類してくれる機能「ピープル」
http://voicei.seesaa.net/article/442222107.html

posted by @voice_of_i at 17:00| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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