2025年04月29日

万博は万博でも万博記念公園のことですねん - アイナビアプリでお散歩できるようになりました

2025年、大阪・関西万博が開催されているのは夢洲(ゆめしま)という場所。
会場の広さは155ヘクタールです。

時を戻して1970年、大阪府吹田市千里の場所で開催されたのが日本万国博覧会。
会場の広さは330ヘクタールでした。
夢洲の会場でさえ広いのにその倍だったとは!
昔の人は疲れ知らずだったんでしょうねぇ、きっと。

その跡地は万博記念公園として憩いの場所になっています。
なんと、その公園の一部エリアを視覚障害者向けに開発されているアイナビアプリで散歩できるようになりました。
2025年4月25日にリリースされたバージョン4.0.0で対応しています。

視覚障がい者向けアプリ- Eye Navi(アイナビ)| コンピューターサイエンス研究所
https://www.eyenavi.jp/

このアプリはiOS向けにリリースされていて、iPhoneのカメラで目の前にある物体を認識し、その名前を読み上げてくれます。
目的地を設定してナビしながら歩いているとき、iPhoneの背面カメラの前にある物体、たとえば自転車や車などがあれば教えてくれるわけです。
おもしろいのは目的地を設定しなくても利用できること。つまり当てもなく散歩していても目の前に障害物などがあれば、それを確認しながらぶらぶらできるわけです。
プレミアムプランに加入すれば自分の好きな道順を記録、オリジナルのルート作成ができるようになっています。いつも同じ散歩コースを歩きたい、そんなときにはルート作成が役に立ちます。

今回のアップデートでは万博記念公園を散歩するためのルートが追加されました。無料プランのユーザでも利用できます。

アプリを開き「道案内」ボタンをタップすると、
「万博記念公園ナビ」という項目が表示されています。
その箇所をタップすると、現時点では八つのルートを選べます。

1. 万博記念公園駅から公園入口へ(スロープ利用)
2. 公園入口から国立民族学博物館へ
3. 民俗学博物館から日本庭園へ
4. 日本庭園内
5. 日本庭園からEXPO70パビリオンへ
6. EXPO70パビリオンから公園入口へ
7. 公園入口から太陽の塔へ
8. 公園入口から万博記念公園駅へ(エレベーター利用)

それぞれの逆ルートも選べます。
出発地点にちゃんと戻ってこれるかどうか、見えなくても見えていてもだれもが不安に感じること。往復のルートが用意されているのは安心ですね。

点字ブロックの敷設されていない万博記念公園では、アイナビアプリのカメラによる前方確認と音声による道案内が、散歩してみようかという気分にさせてくれそうです。

大阪・関西万博では手に触って楽しめる展示物は少ないようですが、国立民族学博物館に出向けばきっとたくさんの品々と触れ合えるように思います。
なんといっても万博記念公園はお金がほとんどかからないでしょうから、気軽に出かけるのには持って来いですね!


さて、大阪・関西万博の会場で大活躍しているのがEXPO2025 Personal Agentというアプリ。こちらはiOS, Android向けにリリースされています。
目的地までの徒歩による時間と経路の表示。
スクリーンリーダーで読み上げてくれます。
しかし、残念ながら、ナビ機能には音声ガイダンスがありません。
晴眼者にとってはかなり重宝しているアプリのようですが、音声ユーザにとってはちょっと残念。いや、かなり残念。

実はPersonal Agentではゼンリンの地図データを利用しています。
ゼンリンの地図データといえばアイナビアプリ。
まだ試してはいませんが、大阪・関西万博の会場でもアイナビアプリが活躍してくれるかもしれません。
「アイルランドパビリオン」をキーワード検索すればちゃんと結果は表示されました。

55年前の会場だった万博記念公園と今開催されている夢洲での会場をアイナビアプリが先導してくれるとよいですね。

posted by @voice_of_i at 01:12| Comment(0) | 旅行・乗り換え関連のアプリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月22日

大阪・関西万博のアクセシブルサポート - パビリオンからの生中継 by 旅介TV

一般社団法人関西イノベーションセンターが運営する、誰もが楽しめる万博の実現を目指すユニバーサルツーリズムプロジェクト「LET’S EXPO」では車いす使用者と視覚障害者向けに会場内のガイドサービスを行っています。
これは有償のサービスですが、4月と5月はモニター期間としてサービス料金は無料、申し込み者には入場チケットがプレゼントされます)

LET'S EXPO | 大阪・関西万博 ユニバーサルツーリズムプロジェクト
https://www.lets-expo.jp/


もう一つのサービスとしてオンラインツアーが提供されます。
2025年4月23日は第一弾として「三菱未来館」(三菱グループ)のパビリオンから生中継するそうです。

4月23日(水) 14:00〜15:00
旅介TV
https://tabisuke.tv/report/7158631

旅介TV(たびすけTV)への会員登録が必要です。
生中継は無料会員でも視聴できるそうです。


ところで、私は旅介TVのことをまったく知りませんでしたが、介護施設やデイサービスなどが契約しているケースもあり、気軽に旅行に出かけられない人たちに人気なのだそうです。
こういうビジネスが存在したんですね。
会員ステータスによっては配信中にやり取りできるようなので、バーチャルツアーとして楽しそうです。

そう言えば、昔Be My Eyesアプリも同じようなコンセプトでイベントをしていました。
ビデオ通話は1対1の双方向コミュニケーションになりますが、それを複数の人が同時視聴できるようにしたわけです。
大きなイベントの様子をボランティアが説明し、それを複数の視覚障害ユーザが視聴するという内容でした。

日本ではサービス展開していませんが、ビデオ通話を利用した有料の遠隔支援サポートとしてAiraアプリがあります。
こちらも1対1の通話になりますが、ユーザとアシスタントが同意した場合、その様子を他のユーザが視聴できるサービスがありました。
たとえばユーザが旅行先の様子をアシスタントに説明してもらっているシーン、それを他のユーザも視聴できるわけです。その場にいなくても自分が旅行している気分になれる、そんなおもしろい試みがありました。

将来的にユーザが触った感覚を遠隔地のユーザに伝えられる技術が実用化されれば、今後のバーチャルツアーは楽しそうなものが企画されていくかもしれませんね。

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このグループから退会し、グループからのメールの配信を停止するには appleaccessibility+unsubscribe@googlegroups.com にメールを送信してください。
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posted by @voice_of_i at 23:51| Comment(0) | 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月20日

大阪・関西万博のアクセシビリティ - 杉田淳デスクの体験レポート on NHKラジオ「Nらじ ニュースのしゃべり場」

NHK第一ラジオで放送されている番組「Nらじ」、
金曜日担当の杉田淳デスクによる万博レポートの聞き逃し配信の紹介です。

Nらじ ニュースのしゃべり場 4月18日(金)午後6:00放送 2025年4月25日(金)午後6:45配信終了
https://www.nhk.or.jp/radio/player/ondemand.html?p=X7R2P2PW5P_25_4196320

入場ゲートには障害者の優先ゲートが設けられているようです。
ちなみにパビリオンによっては障害者やベビーカーの優先入場が認められていたり、障害者手帳をの提示で配慮してくれるところもあるそうです。すべてではありません。

利用すると便利なアプリのことも紹介されていました。
・画像の説明をしてくれるアプリ。いろんなものがあるのでお気に入りを使えばよいですね。
・shikAI シカイ
・NaviLens ナビレンス


ところで、私が会場を回ってみて、すぐに使えるようにした方がよいと感じたのは通常のQRコード読み取り機能です。

ドイツのパビリオンに併設のレストランに入ったところ、
「Can I help you?」
サーブしてくれる人からは英語で話しかけられました。
早速海外旅行にきた気分を味わえます。

メニューはテーブルに貼られているQRコードを読み取ります。
最近の食事をする場所、QRコードでメニューを表示、そこからウェブサイト経由で注文と支払いを完了させるようなお店が増えています。
ドイツ館のレストランではオーダーは聞きにきてくれて、支払いもカウンターで行いました。
ウェブサイトでの操作だけで支払いまでの手続きが完結できるようになっていたのかどうかは確認できませんでした。

その他のレストランでも同じような手順のところが多いのではないかと予想して、
私はすぐにiPhoneでQRコード読み取り機能を呼び出せるように、アクションボタンにコードスキャナーを割り当てました。
翻訳機能を割り当てておいても便利かもしれませんね。

こんなときにはアクションボタンとカメラコントロールのあるiPhoneがけっこう使い勝手はよさそうだろうなと感じました。

posted by @voice_of_i at 16:23| Comment(0) | 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大阪・関西万博の会場に溶け込んでいるアンビエントミュージック

夢洲(ゆめしま)で開催されている大阪・関西万博の会場を歩いてみると未来的な音楽、和を醸し出す音楽、ヒーリングミュージックのようなやさしい音楽が所々から聴こえてきます。

これらの音楽はアーティストたちによって作られた「サウンドスケープ」なのだそうです。

JKD Collective | EXPO 2025 OSAKA : SOUNDSCAPE
https://jkdcollective.jp/work/expo-2025-osaka-soundscape/
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本サウンドスケープは、「いのちのアンサンブル」というコンセプトのもと構成されています。夢洲の会場を「地・空・水・森・街・祭・命」の7つのエリアに分け、それぞれのテーマに沿った音をデザイン。サウンドスケープのクリエイティブチームと7名のアーティストが共創し、エリアごとに異なる世界観が立ち上がります。
すべての楽曲はBPM(テンポ)を共通化することで、エリアを越えて自然に響き合う設計に。人間、自然、動物、テクノロジー──世界中の「いのち」の音が混ざり合い、ひとつの大きなアンサンブルを奏でます。
音は会場のオープンからクローズまで毎日流れ続け、時間帯や天候によって常に変化。風が吹けば、光が差せば、人が歩けば、音の表情も呼応する──そんな、生きた音の風景がこの場所に広がります。
このサウンドスケープが、自然と人、空間と感情が響き合う体験として、訪れる人々の心に何かを残すことを願っています。
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そんな風に環境音楽をデザインしているとは知りませんでした。

パビリオンのデザインの美しさ、かっこよさが話題になっていますが、
一か所のベンチに長く座ってサウンドスケープの響きあいを感じてみるのも楽しみ方の一つになりそうです。


次のウェブサイトから楽曲を再生することができます。

Soundscape Design|EXPO WORLDs - 大阪・関西万博 OPEN DESIGN PROJECT
https://expoworlds.jp/ja/sound/


また、「SoundCloud」のアプリで「EXPOWORLDs」をキーワード検索しても一覧できます。

「SoundCloud: 音楽&オーディオ」をApp Storeで
https://apps.apple.com/jp/app/soundcloud-%E9%9F%B3%E6%A5%BD-%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA/id336353151
posted by @voice_of_i at 02:04| Comment(0) | 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月14日

大阪・関西万博に設置された謎のQRコード - 日本生まれのshikAIとスペイン生まれのNaviLens

本日2025年4月13日に大阪・関西万博が開幕しました。
世界最大の木造建築物としてよく取り上げられている「大屋根リング」ですが、点字ブロックが敷設されていることはあまり語られていないかもしれませんね。

それに加えて、会場内には視覚障害者向けの誘導・案内方法として専用のQRコードも設置されています。
どれだけの人たちが気付いているでしょうか!?
どちらも視覚障害者向けに開発されたアプリですが、けして見えている人たちが使ってはいけないというわけではありません。
方向音痴の人たちにもきっと役立つはず。
そして、情報は英語でも確認できます。
壁に貼られているNaviLensについては多言語対応。

利用するスマートフォンアプリは2種類。

日本生まれのshikAIは東京メトロの複数の駅、JR大阪駅の点字ブロックに設置されています。
スペイン生まれのNaviLensは東京都済生会中央病院や九州国立博物館などに設置されています。

どちらもスマートフォンの背面カメラで専用のQRコードを読み取り、情報を得ることができます。
まだアプリを使ったことのない人にとって大阪・関西万博は新しい体験をする場所になることでしょう。




詳しくは次のYouTube動画が参考になります。

2025年4月7日(月)開催 第149回ロービジョンの集い「ナビタグ(ナビレンス・シカイ)を使いこなして大阪・関西万博を楽しもう!」  YouTubeチャンネル: NEXT VISION ビジョンパーク
https://www.youtube.com/watch?v=oByl5dHzMLc

この中で印象に残ったことは、
・現在はiOS向けにしかリリースされていないshikAIアプリ。万博期間中にAndroidアプリをリリースする予定。
・NaviLensの専用コードは離れた場所からの読み取りに優れているが、35メートル先でも読み取れる大きめのサイズがある。
・shikAIのコードは点字ブロックに設置されているので、カメラは足元、斜め下に向ける。
・NaviLensのコードは壁などに設置されていることが多く、場所によっては頭の上・斜め上に向ける。
・shikAIでは事前に利用する場所のデータをダウンロードしておけば、会場ではオフラインでも利用可能。
・NaviLensはオンライン、インターネットにアクセスしていないと情報を取得できない。オフラインではコードの存在だけを確認できる。


shikAIアプリがAndroid向けにリリースされるというのはうれしいですね。
駅構内では専用コードを読み取れば改札口やトイレまでしっかり案内してくれます。
shikAIアプリを使用するにはアカウント登録が必要です。

NaviLensアプリの基本的な機能はアカウント登録しなくても利用できます。
コードは看板代わりの存在だと考えておけば使い方はイメージしやすいと思います。
上記の動画ではNaviLensの使い方が説明されていますが、詳しすぎるので、簡単な使い方をまとめてみました。

Androidアプリの簡単な使い方を説明 | ナビレンズジャパンユーザーグループ
https://www.users.navilens.jp/%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3/sonota-noqing-bao/androidapurinojian-dan-nashi-ifang-woshuo-ming

iOSアプリの簡単な使い方説明 | ナビレンズジャパンユーザーグループ
https://www.users.navilens.jp/%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3/sonota-noqing-bao/iosapurinojian-dan-nashi-ifang-shuo-ming
posted by @voice_of_i at 00:38| Comment(0) | 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする